左利きと空間把握能力
今回は、左利きと空間把握能力について話していきます。
よく左利きの人は右脳が発達しているから、空間把握能力が高いとか、芸術性に富んでいるとか言われる事がありますが、実はそれは正解であり、間違いでもあります。
確かに、左脳は文字の認識や精密な分析などを処理し、右脳が空間把握能力や全体的な把握を処理をします。
しかし、脳というのは、右脳だけが単独で活動しているわけではなく、右脳と左脳がお互いを補いながら活動しています。なので、右脳だけが優れているから、空間把握能力や芸術性が高いわけではありません。
重要なのは、右脳と左脳がバランスよく発達し、それ連携がスムーズであると言う事です。だからこそ、左利きの方が上記の事に対して有利となります。
その理由として、利き手と脳にも書いているのですが、左利きの人は状況によって両手を使いわけるため、左脳と右脳が両方とも刺激を受け、その結果、両方の脳がバランスよく発達するからです。
また、左脳と右脳がバランスよく発達するために、左脳と右脳を結ぶ脳梁も発達します。数字を使うと、右利きの人よりも左利きの人の脳梁は10%も太いらしいです。
上記にある右脳の発達、バランス、脳梁の太さの3点から、やはり左利きの人は空間把握能力や芸術性が高いと考えられます。
左利きと言語脳
次に左利きと言語脳について話していきます。当サイトの利き手と脳と内容は近いですが、より左利きに特化した内容となっています。
言語脳とは言語・調査・分析・計算などの細かい処理を司る脳で、右利きの人は90%以上の人が左脳だけにあります。
しかし、左利きの人の60%が左脳にあり、40%の人が右脳にあり、またほとんどの人が左脳、右脳両方に言語脳を持っています。
では、なぜ左利きの人は両方の脳がバランスよく発達するのでしょうか?
その理由として、社会全体が右利きの人用に作られているため、親からの矯正も含めて、普段の生活において両手を使う癖がついているため、その刺激を受け、言語脳もバランスよく発達すると考えられます。(ただ本人の意志に反して無理に強制させると、脳の発達にも悪影響を及ぼします)
両方の手を使う事が、本当に脳をバランスよく鍛えられると事と直結するのかを示すために下の図を用意しました。
この図は、「左手しか使えない左利きの人」と「右手も使える左利きの人」の文字を書く時の脳血中量変化を示したものです。
この図を見ると、一目瞭然ですが、左手しか使えない人は、右脳だけが活動しているのに対し、右手も使える人は右脳左脳ともに活動しています。やはり、両手を使う事は両方の脳をバランスよく発達させる事がわかります。
結論として、両手を使う機会が多いから左利きの人の言語脳は、左脳にも右脳にもあります。それの良し悪しについては利き手と脳の失語からの回復を参考にしてください。