鏡文字とは
ここでは、鏡文字について説明します。
まず、鏡文字とは、普通の文字に対して左右を逆転させた文字の事を言います。これを鏡文字と言うは、文字通り鏡に映すと普通の文字に見えるからです。
文章だけでは、わかりにくいので、次に例を出します。
上の文字は、それぞれアルファベットのa,b,c,d,e,f,gの鏡文字です。なんだかちょっと変な感じがすると思います。本当にこれがそれぞれの鏡文字なのかを確認するために、実際に鏡に写して見てみます。
鏡に映った文字は文字は普段僕達が慣れ親しんだアルファベットでした。ただし、鏡文字では左からa→gだったのに対して、鏡文字を鏡に映すと逆にg→aになります。単語自身を鏡に映した時に、本来の単語の綴りにしたい場合は、その順番に書く必要があります。
さて、この鏡に映った時だけに本来の文字になる奇妙な文字こそが鏡文字と言われるものです。
左利きと鏡文字
さて、本当に上のようなおかしな文字を使う人がいるのか?と疑問に思われる人もいると思います。
もちろん現実に鏡文字で書く人はいらっしゃいます。そして、その割合は左利きが圧倒的に多いです。左利きで鏡文字を書く人といえば、レオナルド・ダ・ビンチやトム・クルーズなどが有名です。
トム・クルーズはディスレクシアと言う発達障害の一種で、物事を理解する能力は特別に問題はないが、文字を読んだり、書いたり、理解したりする能力が著しく低いそうです。
では、どうして、左利きの人に鏡文字を書く人が多いのでしょうか?
その理由について、少し書いていきます。
脳内の構造上の問題
まず一つ目として、通常は、脳内において文字統括している領域内で、処理されるはずのものが、まったく別の場所で処理されている事によって、鏡文字のような奇妙な文字が形成されるというものです。
これは、少し難しいですが、例えば、子供の頃、アルファベットの「b」を覚える時には、まず、「b」と書かれたものを見て、その発音は「ビー」だと記憶し、そのイメージを頭の中に形成して、そのイメージ通りに書きます。
しかし、この「b」と言う文字を見て、何らかの原因によって、頭に「d」という左右が反転したイメージを形成されてしまうと、「ビー」と発音される物が「d」となってしまいます。
なぜそのような誤処理が左利きに多いのかを考えてみると、左利きの人は、右脳と左脳をバランスよく使うために、脳内の色々な場所で処理を行うので、その処理の統合が困難になってしまうのではないかと思います。
大人になり脳内ネットワークの結びつきが強くなれば、誤処理は少なくなりますが、小さな子供のうちは、そういった誤処理によって、鏡文字を書いてしまう可能性もあると言うことになります。
単純に書きやすいから
実際に管理人が両利きになるに当たって、左手で文字を書く訓練をしていたのですが、その時に思ったのが、左手で左から右に線を引くのは非常に難しです。
その理由としては、左手で文字を書くでも説明していますが、ペンを押し出さないといけないのと手の関節の構造上の問題です。なので、一般的な日本語は左利きの人にとっては書きにくいです。
それとは逆に、左手で鏡文字を書くと書きやすいです。鏡文字は、普通の文字と左右が逆転するために、横線は常に右から左となります。すると、左利きの人にとっては、ペンを引く動作となるので、普通の文字よりも書きやすくなります。
このように、鏡文字は左利きの人にとっては、書きやすいので、幼少期の子供が、書きにくい普通の文字ではなく、書きやすい鏡文字を覚えてしまうと言うのも理由のひとつになると思います。
鏡文字を書いてみよう
ここでは鏡文字の書き方について説明します。
まず、鏡文字の感覚をつかむために、ノートに普通の文字を書き、ノートに対して垂直に鏡を立てて、その鏡に映った文字が鏡文字なので、この奇妙な字をしっかりと見てください。
これだけでは、少し物足りないので、下に平仮名の鏡文字を用意したので、見てください。
これを頭の中にイメージすることができれば、鏡文字は書く事ができます。
重要なのは、ペンを置く位置を通常の文字と左右が逆になるようにして、横線の要素を含んだ線の移動を逆方向にするという事です。例えば、通常の文字で、左上から右下に直線を引く場合には、鏡文字では、右上から左下に直線を引きます。
少し表現が難しいですが、通常の文字を書く場合とは左右方向だけが逆転するという事だけなので、難しく考えずに、気軽に練習してみてください。