左利き出生の諸説
左利きが生まれる原因または左利きになる原因は有力なものから、個人的主観なものまでいくつかあります。
それは
- 遺伝的な要因によるもの
- 脳損傷によるもの
- 男性ホルモンによるもの
- いくさ時に盾の重要性によるもの
- 宗教的背景によるもの
などがあります。それぞれについて説明します。
遺伝的な要因によるもの
遺伝とは簡単に言うと、左利きの親から左利きの子が生まれるみたいなものです。その考えの根幹を成すのが、中学で習う「メンデルの法則」です。
メンデルの法則とは、お父さんがAB の遺伝子を持ち、お母さんがAB の遺伝子を持つ時、子供の持つ遺伝子は、AA 、AB 、BA 、BB の4パターンしかないと言うものです。
また、メンデルの法則には優性の法則という物があり、これは両方の遺伝子をもつ場合に必ず優先的に働く遺伝子があると言うものです。ここで、例えるとAを持っていれば、必ずAになると言う事です。
なので、上の4つについて考えると、中身は4通りあるが、表に出てくるのは、A、A、A、Bとなるわけです。ここでAを右利き、Bを左利きに当てはめると、左利きの出現率が低いのと一致すると思います。
上の法則で考えると、左利きの割合は約25%となり、実際よりも高い確率となります。なので、実はそこにもう1つの遺伝的要因が入ってくるのではないかと言われています。詳しい計算をすると、大変なので省きますが、そうすると左利きの出生の割合は12%くらいとなります。
僕は、この諸説は結構正しいのではないかと思うのですが、まだ現在のところ、左利きの遺伝子、右利きの遺伝子という物が発見されていないので、あくまで諸説とされています。
脳損傷によるもの
乳幼児の主要な死亡原因の1つに細菌性髄膜炎という物があり、5%が死亡、15%が聴覚障害、てんかん、運動障害、また20%が軽度の障害となります。
この細菌性髄膜炎は実は右脳で起こりやすいことが確認されています。数字では、右脳が約7割、左脳では約3割となっています。
このサイトでも説明していますが、右脳は左半身をつかさるので、病気にかかった多くの子供は右半身を動かす事が困難となり、その代わりに左半身を主に動かそうとします。
そのために、多くの左利きの子が右利きになるというものです。
それとは別に出産時に起こる酸素欠乏も原因の1つと考えられています。長時間の分娩や逆子や多胎出産や分娩時無呼吸症候群によって酸素欠乏が起こります。
この酸素欠乏によって、左脳にある運動系に致命的なダメージを与えるために、逆に右脳を使うようになります。そのために、左利きの子が生まれると言われています。
ちなみに細菌性髄膜炎の事例では、多数の左利きが右利きに変わる理由、酸素欠乏の事例では、左脳に障害を持った少数の右利きが左利きに変わる仮定を説明しています。
どちらが正しいのか、はたまた両方正しいのかはまだわかっていないので、あくまで諸説と言う事になります。
男性ホルモンによるもの
胎児期における性ホルモンが左半球の発達を遅らせるために、大脳の機能がさまざまに変化するのではないかと言われています。
このさまざまに変化するというのがミソで、その結果の一部として、左脳の発達が遅れたり、免疫機能に障害を持ったり可能性があるとされています。
この性ホルモンとは、男性ホルモンのことなので、男性の方が起こりやすく、その結果、男性の方が左利きになる確率が高いとなります。
実際に左利きの割合は男性の方が多いので、当たっているかもしれません。
いくさ時に盾の重要性によるもの
太古の昔から、人類には戦いの歴史がありました。その中で武器として剣、防具として盾を使い相手を倒してきました。
そこで、人間にとって一番大切な臓器である心臓が左側にあるために左手で盾を持ち、余った右手で剣を持ちます。
防具を持つ左手に比べて、剣で使う右腕の方が精密な動きが必要だった事から、右利きが大多数を占め、左利きが少数派となったのではないかと言われています。
すなわち、戦で自分の命を守り、敵を倒すためには右利きでなければならなかったと言うのがこの諸説なのです。
ただ、剣と盾での戦いはあくまで西洋の歴史であって、日本では違います。なので、僕はこの諸説については、信憑性が薄いと思います。
宗教的背景によるもの
イスラム教では左手の事を不浄といい、排泄などの後始末をするのが左手で、ご飯などを食べるのが右手となっています。
キリスト教では、右側はイエスによって祝福される側、左側は悪魔とともに処罰される側と聖書に書かれています。
ヒンドゥー教では同様に左手の事を不浄といい、また右手は神聖な手となっています。
仏教では、左と右について特別な意味は持たないようです。
仏教を除く3つの宗教では、左手に不浄や悪魔と言ったネガティブなイメージがあり、その影響によって、左利きは宗教に反すると言われています。
まあ、これも仏教が違うので信憑性についてはわかりません。